Piano etc.

ピアノ教師の考え事を綴っています。

あなたのピアノ演奏を変える運指の考え方

こんにちは。ピアノ教師・渡邊智子です。

東京の小金井市と三鷹市でピアノ教室を開いています。

ピアノ教室 小金井 三鷹 武蔵境 | 渡邊ピアノ教室

 

今回のテーマは運指です。

レッスンで生徒さんたちを見ていると、「そこ、運指を変えたら上手くいくのでは?」ということがよくあります。

音を追うことに精一杯で、運指にまで気が回らないというのも分かります。ですが、たくさん練習しても弾けなかった部分が、運指を変えただけで弾けるようになったりもするのです。

今まで運指を気にせずピアノを弾いていた方は、弾けない指使いで無駄な練習をしていたかも?これを機に、運指の大切さを学んで練習の効率を上げてましょう。

また、弾きやすい運指を考えるのが苦手な方のために、自分に合った運指の考え方もご紹介しますので、練習の参考にしてみてください。

 

アイキャッチ画像

 Photo by Siniz Kim on Unsplash

 

 

運指によって演奏が変わる

 

皆さんはピアノを弾く時、指使いに注意していますか?

 

私は以前、運指に無頓着でした。

学生の頃は真剣に運指を考えたことがなく、当時使っていた楽譜を見ると、指番号の書き込みが殆ど無いものも…。運指に気を使っていなかったことが、不安定でミスの多い演奏の原因になっていたのだと、今になって反省しています。

安定して素晴らしい演奏をするピアニストたちを見ていると、指の動きに無駄がないことが分かります。

運指によって弾きやすくも弾きにくくもなることは勿論、その結果、運指は演奏の美しさにも影響してくるのです。

加えてこれは個人的な感想ですが、私自身は運指を意識して練習することで、テクニック面が安定したように感じています。運指を意識しないと自分が使いやすい指でばかり弾いてしまいますが、無駄のない動きを意識すると、無意識に避けていた指も使うことになり、結果、全ての指を有効活用できるようになるのだと思います。

 

自分の演奏に対して「不安定」だったり「ミスが多い」と感じている方、そして指の独立性を高めたいと思っている方は、ぜひ運指を見直して練習してみてください。

市販の楽譜には指使いが書いてあることが多いので、まずそれを試してみましょう。自分では思い付かない、弾きやすい運指が提案されているかもしれないです。試してみて合わなければ、その通りにしなくても大丈夫です。

クラシックの楽譜では、同じ曲でも版によって運指が違っていることが多いです。持っている楽譜の運指がイマイチだったら、違う版を見て自分に合った指使いを探しても良いでしょう。

手の大きさや柔軟性、それぞれの指の長さによっても運指が変わってくるので、自分に合った指の使い方を模索してみてください。

 

この先は、実際に自分の手に合った運指を考える方法をご紹介します。

 

運指の考え方

 

定型を知っておく

長調と短調の音階半音階アルペジオのように頻繁に登場する音型は、基本的な指使いが決まっています。その型に馴染んでおくと、曲中でこれらの音型が出てきた時にすんなり弾けるようになります。

これらの練習は、有名な教本「ハノン」にも載っていますし、他のテクニック本を利用しても構いません。

特に音階は24全ての調を練習することをお勧めします。様々な指使いを練習できる上に、調性に対する感覚も養えます。

 

全訳ハノンピアノ教本 全音ピアノライブラリー

 

絶対この指で弾きたいというポイントを決める

つなげて弾きたいフレーズの最高音に5の指がくるようにするか、または最低音に1の指がくるようにすると、前後の運指が考えやすくなります。(右手の場合)

また、フレーズ内で特に音域が広がる部分があったら、そこを先に考えるようにすると良いです。例えば1オクターブ広がる場合、2-5の指では弾きにくいですから、1-5か、手が大きい人なら1-4あたりが妥当でしょう。

黒鍵も、運指を考える上ではポイントになります。

黒鍵には長い指(2,3,4)を置くと弾きやすくなりますし、指くぐりをさせる時は、黒鍵の後の白鍵に1の指を持ってくると良いです。黒鍵だらけの曲だと、この方法はあまり使えませんが。

 

 

和音の連続

和音が多い曲は、運指で悩むことも多くなると思います。

和音を連続して弾かなくてはならない部分は、共通の音をなるべく同じ指にするという風に考えてみてください。

例えば、「ドミソ」→「ミソド」の連続した和音があったとします。

これを「135」→「125」にすると、ポジションを移動する必要が出てきます。対して「123」→「235」にすると、共通する「ミソ」の音を同じ指で弾けるので、同じポジションで連続する和音が弾けることになります。

ですが、手の小さい人には後者の運指は厳しいかもしれません。自分の手の大きさや柔軟性によって、広げるか移動するか判断するのが良いでしょう。無理な負担がかからないように選択してください。

 

強弱に合わせる

強弱も、運指を考える上で参考にできます。

強く弾きたい音には、弱い5の指を使わない。1の指は強くなりやすいので、弱く弾きたい音には使わない。など、自然に強弱が付けられる指使いを設定すると、音楽的な演奏の手助けになります。

 

同じ音型に同じ指を使う

一曲の中には、同じ音型が何度も出てくることがあります。楽譜をじっと眺めて、音符の上下関係を確かめてみてください。

例えば「ドミファソ」と「レファソラ」は同じ音型です。ですので「ドミファソ」を「1345」で弾いたら、「レファソラ」も「1345」という風に考えます。黒鍵が入ってきたり、前後の音の関係によっては使えない場合もありますが、同じ運指にすることでその音型が覚えやすくなるので、音符が沢山ならんでいて混乱してきた時など、頭を整理するために使うと効果的だと思います。

 

無駄な動きを減らす

なるべく、直前に鍵盤上にある指を使って無駄な動きを減らしましょう。

例えば「ドミソミド」と弾く時に、右手だったら「13531」「12421」が弾きやすいと思います。これを「13521」とすると、途端に弾きにくくなります。

それぞれの指の癖によって、普通に考えたら使わない指が出て来てしまうことがありますが、その所為でミスタッチが多くなったり、スムーズに弾けなったりするので、つい癖で出てくる指を許容しないよう心がけましょう。

 

技術的な問題が出てきたら

人によっては、手を広げて使うのが苦手だったり、1の指をくぐらせるのがスムーズにいかないなど、技術的な問題により運指が制限されてしまう場合があるかもしれません。

私個人としては、なるべく無駄のない運指を考えた上で、それに合うように自分の技術を向上させるようにしたいです。ですが、どうしても上手くできない場合は、技術的に無理のないような運指を考えてみてください。

本来、右手で弾くように書かれている音符を左手で弾いてみる、というような工夫をしても良いです。

運指に気を付けて練習していると、徐々に、自分の指の特徴が分かってくると思うので、それを練習に活かせるようにしましょう。

 

まとめ

ピアノ演奏における運指について、私なりのアプローチをご紹介しました。

細かくは書ききれなかった部分もありますが、自分で運指を考える際の参考にしていただければ幸いです。

新しい曲を譜読みする時、音だけ追って運指は後回しになりがちですが、譜読みと合わせて運指も考えるようにすると練習の効率が上がります。自分に合わない指使いで練習を続けても、いつまでも弾けないので、結局指使いを見直すことになるからです。そんな二度手間を避けるためにも、ぜひ運指を意識してピアノの練習に取り組んでみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。