こんにちは。ピアノ教師・渡邊智子です。
東京の小金井市と三鷹市でピアノ教室を開いています。
毎日暑いですね。
こんな熱波の中、生徒さんたちにはレッスンに来てもらっています。
7月に発表会を終えたばかりということで、8月中はレッスン回数が少なめの生徒さんも多いのですが、そうは言っても、ここまでの暑さが続くと、わざわざレッスンに来ないで済むようなシステムにした方がいいのかなぁ、と考えたりもします。
実際、スカイプなどを導入するピアノ教室も増えてきていますし、その流れはどんどん加速していきそうです。
そこで今回は、オンライン・動画を利用した「通わないレッスン」について、メリットとデメリットを考えてみました。
オンラインレッスンの魅力
私自身、以前からオンラインレッスンには興味を持ちつつ、日々の雑務にかまけて後回しにしてきました。が、そろそろ本格的に検討しないとまずいかも、と思い始めています。
オンラインレッスンの大きなメリットは、行き帰りの時間節約になることです。
他の習い事や塾などで忙しいお子さんも、レッスンを続けやすくなります。
お仕事の繁忙期にはレッスンに通えないと諦めていた方も、通う時間が省ければ時間の都合も付けやすいのではないでしょうか。
とにかく「行かなくていい」というだけで、かなりハードルが下がるはずです。
また、近くに通いたい教室が無いという方にとっては、距離的な問題を考えずに教室を選べるというメリットがあります。
東京から他県に引っ越した生徒さんなどからは、近くにピアノ教室が無いといったお悩みを聞くこともしばしば。ピアノを習いたい気持ちがあるのに、環境が整っていないというのは残念なことです。
今は未だオンラインレッスンを導入している教室が限られていますが、これから数が増えて教室選びの幅が広がっていくと、こういった悩みも解消されていくのではないかと思います。
ざっくり言って、オンラインレッスンの良さは、上記のような「時間・距離の問題解消」に尽きると思います。
逆に言うと、それ以外のメリットが思いつかないという感じです。レッスンの質に関しては、オンラインの方が良いということは多分ないので…。
リアルタイムでない動画レッスン
オンラインでのレッスンは、基本リアルタイムでのやり取りになりますが、動画を送るだけなら時間を気にせずできます。
YouTube などでレッスン動画を見て練習している方も多いと思いますが、そのような動画を自分のためだけに作ってもらえるというイメージです。
動画の使い方は色々考えられます。例えば…
まず生徒さんが演奏した動画を先生に送る、またはテキストで質問などを送る。それに対して、改善点や練習法などを入れた動画を先生が返信する。
一つの動画を5分~10分程度のコンパクトなサイズにまとめれば、何度も見返して練習するのにも便利ですよね。
動画のやり取りには、動画レッスン専用のアプリを使ったり、LINEなどを利用している先生もいらっしゃいます。
このような動画レッスンは、先生も生徒も、お互い都合の良い時間に動画を送ったり見たりできるのが大きなメリットです。個人的には、リアルタイムのオンラインレッスンよりこちらに魅力を感じています。
オンライン・動画の限界
オンラインレッスン、動画レッスンともに便利なシステムだと思います。
ですが、やはり対面レッスンに敵わない部分も多いです。
まずは、音質。
画面越しに聴く音は、細かい部分が聴き取りにくいことも多いので、そこを改善しようとすると、それなりの機材を導入する必要が出てきます。それでも、生音と同じようには聴こえないですから、教える側としては判断が難しくなってきます。
また、音質の問題と被りますが、楽器の問題も出てきます。
ピアノを習っている方で、自宅にグランドピアノを持っている方はそう多くはないと思います。一方で、ピアノ教室に行けばグランドピアノに触れることが殆どでしょう。
通うレッスンを辞めてしまうと、グランドピアノで演奏できる機会が無くなってしまう可能性が高いです。これは大きなデメリットだと思います。
次に、視点。
一般の家庭で、プロが撮った動画のように、カメラを何台も使って色々な視点から撮影することはできないですよね。
生徒さんが演奏している最中に、先生が見たいと思う視点に移れないというのは、ちょっと不便だなと思います。オンラインレッスンなら、撮影者に指示を出して移動してもらうこともできますが、正直面倒くさいです。
それから子供のレッスン場合、通うレッスンより親の介入が必要になる可能性が高いです。
私の教室では、近隣のお子さんが多いこともあり、一人でレッスンに来ている子供も多いです。最近は共働きのご家庭が増えているので、親の送迎無しに来られるという条件で教室を探す方もいらっしゃいます。
オンライン・動画レッスンを利用する場合、そのように子供任せにすることができなくなってしまうのではないでしょうか。
まとめ
当然ですが、「通うレッスン」「通わないレッスン」ともに、メリットとデメリットがあります。
私としては、対面レッスンの良さを捨てたくない気持ちが強いですが、一方で便利な技術は取り入れていきたいという思いもあり、どう折り合いをつけるかが悩みどころです。
何でもオンラインで習得できる時代になっていく中、これからのピアノ教室には何が求められるのでしょうか。
いちピアノ教師として、柔軟に検討していかなくてはと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。