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ピアノ教師の考え事を綴っています。

【備忘録】音楽著作権について勉強中

こんにちは。ピアノ教師・渡邊智子です。

東京の小金井市と三鷹市でピアノ教室を開いています。

ピアノ教室 小金井 三鷹 武蔵境 | 渡邊ピアノ教室

 

前回、YouTubeに関係する音楽著作権のことに触れましたが、今回も引き続き音楽著作権について取り上げます。

 

音楽著作権に関することで個人的に一番気になるのは、JASRACと音楽教室の件です。

JASRACが音楽教室のレッスン内での演奏を管理対象にする方針を発表し、一時ニュースなどでも頻繁に取り上げられていました。

この方針に反対する音楽教室側が「音楽教育を守る会」を結成し、JASRACを訴える裁判を起こしていて、今後の展開が注目されるところですが、実は既に一部の音楽教室からは著作権使用料の徴収が開始されているそうです。今のところ、楽器店などが運営する教室のみが対象となっているので、私のような個人教室は関係ないとのんびり考えてしまっていましたが、今後、個人教室も対象となる可能性がありうかうかしていられません。

JASRACのHPでは以下のような記載が。

 

個人教室については、管理水準が一定のレベルに達するまで管理の対象としないこととしています。

 

つまり、私のような弱小個人ピアノ教室にとっても、他人事ではなくなるかもしれないのです。

だからと言って、ここでJASRACに反対する意見を述べるつもりはありません。

当然、私の立場では反JASRACに偏りたくなるのですが、著作権についての知識が無い状態でただ「反対!」というのはどうかと思うのです。まずは中立な立場で著作権の知識を得て、そこから自分なりに考えていきたいと思っています。

 

今回は、著作権管理事業(主にJASRACのこと)について、基礎知識をまとめてみます。

こちらの本を参考にさせていただきました↓

 

よくわかる音楽著作権ビジネス 基礎編 5th Edition

 

著作権管理事業者について

そもそもJASRACってどんな団体なのか、ふわっとしか知らない方も多いと思います。

私も「著作権を管理していて、色んな所から著作権使用料を徴収している団体」という程度の認識しかありませんでした。

なんか知らないけど、すごい権力を持っているイメージとか(笑)

文科省の天下り先なの??とか…

 

JASRAC(Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers)は、1939年に設立された著作権管理事業者です。

著作権管理事業というのは、簡単に言うと、著作権者の代わりに著作物の管理を行うことです。

例えば、作曲家が自分の楽曲の管理をJASRACに依頼すると、その楽曲を使いたい演奏家はJASRACに使用許可を得て、使用料金を支払います。JASRACは、徴収した料金から管理手数料を引いた額を作曲家に分配します。

多くの楽曲を手掛けている作曲家、作詞家の方からすると、自分で全ての作品を管理するのは大変なので、JASRACのように一括して管理してくれる団体があるのは便利なのですね。

 

プラーゲ旋風

JASRACの設立には、ウィルヘルム・プラーゲ博士というドイツ人が関係しています。

1931年、東京に事務所を開いたプラーゲ博士は、「ヨーロッパの著作権者の代理人」を名乗り、「自分が管理する外国の楽曲を使用するには許可を取って使用料を払うように」と言いました。

当時の日本では「著作権」という概念が浸透してなかったため、またプラーゲ博士の請求した使用料が高額だったこともあり、関連業界では大変な騒ぎになったようです。中でもNHKは、1933年から約1年間、外国曲の放送を取りやめたほどでした。

このような騒動があったことから、政府は著作権に関する代理、媒介、信託について定めた「仲介業務法」を制定し、現在のJASRACの前身である「社団法人大日本音楽著作権協会」が設立されることとなったわけです。

これに対しプラーゲ博士も別団体を設立しましたが、「仲介業務法」では文化庁の許可が下りないと業務が実施できないことになっていて、音楽分野での著作権仲介業務を認められるのは1団体に限るという方針のもと、プラーゲ博士の団体には許可が下りませんでした。ここから、JASRACの独占状態が始まったということです。

 

規制緩和

2001年、「著作権等管理事業法」が施行され、「仲介業務法」は廃止されました。

管理事業法と仲介業務法の比較 | 文化庁 

 

これにより、著作権管理事業は文化庁の許可制から登録制に変わり、JASRACの独占が守られている状態ではなくなりました。とは言っても、まだまだJASRACが最大手であることに変わりはないのですが。

 

JASRAC以外では、エイベックス傘下のNexToneという管理事業者が参入しています。

株式会社NexTone(ネクストーン)

 

JASRACとNexToneの比較については、また次回以降にまとめたいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。