Piano etc.

ピアノ教師の考え事を綴っています。

子供がピアノを練習しなくて悩んでいる方へ

こんにちは。ピアノ教師・渡邊智子です。

東京の小金井市と三鷹市でピアノ教室を開いています。

 幼児から大人まで教えていますが、小学生くらいの生徒の親御さんからよく聞くお話…

 

子供が練習しない

 

今回はこれをテーマに書いていきたいと思います。 

 

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Image by Vladvictoria on Pixabay

  

進んで練習する子供はなかなかいないと思います。お母さんが声掛けして、時には強制的にやらせることもあるかもしれません。

ピアノを習い始める時は「楽しく続けてほしい」という気持ちだったはずなのに、だんだん「練習しないなら辞めなさい!」と言うようになり、そんな状況に疲れてしまう親御さんも多いことでしょう。

練習好きな子供はいない、とはよく聞きますが、それでも少しは練習してもらいたいですよね。

今回は、子供の気持ちも想像しながら、練習するって何だろう?ということを考えていきたいと思います。

 

 

子供目線で見てみましょう

まず、子供の気持ちを考えるところから始めたいと思います。

大人にとって当たり前の事も、子供にとっては理解できない事だったりします。自分の子供時代を思い出しながら、子供の気持ちを想像してみましょう。

 

自分の過去を思い返してみる

私も練習が好きな子供ではなかったです。

3歳くらいの時に「ピアノをやりたい」と自分で言ったらしく(記憶に無い)、母には度々「自分でやりたいって言ったんだから練習しなさい」と言われました。

でも練習は嫌でした。

今でも練習が好きなわけではないです。やらないと弾けないことが分かっているから練習します。弾けなくなるのは困るので。

そう考えると、子供の頃の私は、練習しないと弾けないという当たり前のことを理解していなかったのかもしれません。弾けるようになりたい気持ちはありました。でも、そのために何が必要かを分かっていなかったのですね。

この記事を読んでくださっている悩める親御さんたちには、まずご自身が子供だった頃のことを思い出していただきたいです。

練習、好きでしたか?

 

練習しない理由

自分の過去を振り返ってみて、積極的に練習できなかった理由を考えてみます。

私の場合、こんな感じ↓ 

 

  1. 練習しないと弾けるようにならないことを分かっていない。
  2. 自分の演奏の悪いところが分からない。
  3. 良い演奏の理想が無い。
  4. 悪いところが分かっても、どうすれば良くなるのかが分からない。
  5. 曲が好きじゃない。
  6. 指が思ったように動かなくてイライラする。
  7. ピアノのある部屋が寒い、暑い。

 

まだまだ出てきそうですが、この辺にしておきます…。

こんな子供だったのに、よくピアノを続けてきたものだと思います。

特に、2、3、4の問題については根が深く、20代後半まで試行錯誤していました。色々な先生のレッスンを受けたり、他の人の演奏をたくさん聴いたりして、自分なりの練習の仕方を探してきた結果、少しずつ自分にとって良い方法が見つかってきたという感じです。

皆さんも、お子さんの練習がうまくいっていない理由を探してみてください。

本人がピアノに興味の無い状態であったら諦めた方が良いかもしれませんが、上手く弾けないから嫌だと思っている場合は、練習の仕方を工夫してあげれば楽しくなるかもしれません。

 

練習について考える

私は「練習」という言葉の響きが好きになれません。楽しくなさそうだから。

「勉強」もそうです。「勉強」と言われると全てつまらなそうに思えて、やりたくない気持ちになります。

どちらも子供にとって魅力的な言葉ではないと思います。何でも「練習」「勉強」と思わずに、「面白いこと」「興味のあること」として受け入れてもらえたらいいのに、と思っています。

 

練習って何?

「勉強」とか「練習」とかって抽象的な言葉だと思います。

「勉強しなさい」「練習しなさい」と言われても、具体的に何をしたらいいのか分かりません。「この漢字を10個書いて」とか「この曲を3回弾いて」とか言われれば分かります。

練習の仕方を知っている子供には「練習して」で通じますが、練習の仕方が分からない子供には通じないのです。「練習しなさい」と言う代わりに、「この曲を1回弾いて」「最初からこの部分まで5回弾いて」など具体的な指示を出してみてください。練習の内容を本人が分かる言葉で伝えてあげれば、ピアノに向かうことができるようになると思います。

 

練習って何のためにするの?

「練習するのは何のため?」と小学生くらいの生徒たちに質問することがあります。

黙ってしまう子もいますが、模範的な答えをできる子は、だいたい「上手くなるため」と答えます。

 

上手くなるってどういうこと?

  • 上手くなる=間違えないで弾ける?

間違えたくないから練習するという考えは良いと思いますが、いっぱい練習しても間違えることはあります。
それに、間違えずに弾けたら素晴らしい演奏かと言うと、それは違うと思います。ちょっと間違えても素敵に弾く人は沢山います。ミスタッチの有無だけを基準にするのは良くないです。

  • 上手くなる=難しい曲が弾ける?

指が速く動いたり、音数の多い曲が弾いている人を見ると、「上手い!」と思うかもしれません。それを目標にしている生徒さんも多いでしょう。それはそれで良いと思います。
ですが、シンプルな曲を美しく弾くのも実は難しいことなのです。音数が少ない一見易しそうな曲でも、きれいに弾くためには練習が必要です。

 

では結局、上手くなるってどういうことなのでしょう?

私個人の見解ですが、「出来ない事が出来るようになる」ことではないかと思っています。

 

出来ない事を出来るようにする

練習は「出来ない事を出来るようにするため」にするのです。

ここで勘違いしないでいただきたいのですが、「出来るようになりたい」と思って取り組むことが大切なのであって、決して「出来るようにならなきゃ意味が無い」ということではありません。

今すぐ出来ることもあれば、1年後に出来るようになることもあるでしょう。

私なんか、「これ直すのに10年くらいかかりそう…」と思うこともあります。

それでも理想を描いて、目標を持って取り組むことに意味があると思います。

例えば、スタッカート(音を切って弾くこと)が苦手だったら、その部分は指をちゃんと動かすように意識して弾くとか、リズムを取るのが苦手だったら、ちゃんと数えて弾くようにするとか。

上手くなりたいと思ってピアノを習っている子供には、自分の演奏の良くない点を理解させ、どうしたら良くなるのかを示してあげることで、より意欲を持たせてあげることができるはずです。

 

練習の仕方を教える

具体的な目標が持てて、練習の必要性も理解できて、意欲もある。それでも練習がうまくいかないことがあります。

どうやったらいいのか分からないからです。

分からないから出来ない。出来ないからやらない。やらないから余計出来ない。という負のスパイラルに陥ります。

子供のうちから一人で内容の濃い練習なんて出来ません。ただ2,3回弾いて「練習した」と言います。それでも弾かないよりマシです。

でも、意欲がある子には良い練習をしてもらいたいですよね。私は、それを教えるのが先生の仕事だと思っています。

レッスンで上手く出来ていないところを指摘して、どうしたら良くなるか説明し実践してみます。自分の良くないところが分かって、どういう練習をしたら良くなるかも分かれば、家で同じようにできるはずです。その積み重ねで、少しずつ、自分で良くない部分を見つけたり、練習方法を考えたり、工夫できるようになってくるのだと思います。

 

好き勝手に弾きたい

ピアノを触るのは好きだけど、先生や親の注意を聞かず勝手に弾いているお子さんもいると思います。そういう場合は、ピアノを習わせること自体が難しいかもしれません。

実際、ピアノに触ってみたくて体験レッスンに来たけれど、先生にあれこれ言われながらその通りやらなくてはいけないことが分かると、嫌になってしまう子もいます。それはピアノが嫌いなのではなく、他人に指示されるのが嫌なのだと思います。

お子さんが好き勝手に弾いて満足しているのであれば、しばらく自由にさせておいて、本人が習いたいと思うまで待っても良いのではないでしょうか。

 

練習環境

ご自宅での練習環境についても考えてみましょう。

ピアノは何処に置いてありますか?

弾きたいと思った時に弾ける環境ですか?

環境を少し変えるだけで、自然とピアノに向かえるようになるかもしれません。

 

ピアノの置き場所

私の場合、母がピアノ教師なので、家にピアノの部屋があります。グランドピアノが2台あって、一応防音もされていて(家の中の音は聞こえますが)、恵まれた環境と言えるのだと思います。

ですが、私はこの部屋が好きではありませんでした。

とにかく寒い&暑い!!

今でも、レッスンのある日は、生徒さんが来る30分前にはエアコンのスイッチを入れます。真冬はエアコンだけだと足元が冷えるので、ストーブも一緒に点けます。

子供の頃もそうでした。練習時間の前にエアコンを入れて待ちます。その間、テレビを見たりしてしまいます。練習しようという気持ちは全く無くなります…。

他にグランドピアノを置ける部屋は無いので、うちの場合は仕方なかったと思います。ですが、電子ピアノやアップライトピアノであれば、置き場所を考え直すこともできるはずです。リビングや子供部屋など、お子さんが普段居る場所にピアノがあれば、気軽に練習しやすいのではないでしょうか?

ついでに、ピアノの鍵盤部分の蓋を開けたままにしておくのもお勧めです。これは私の母がしていた工夫なのですが、鍵盤がすぐに触れるようにしておくことで、練習するぞという気持ちが無くても何となく弾いてみたりするようです。

 

ピアノを弾いていい時間

お子さんの練習時間は決めていますか?

朝学校に行く前、夕飯の前など、練習する時間帯を決めていたり、30分弾くなど時間でノルマを作っているご家庭も多いと思います。

また私の話になりますが、子供の頃はだいたい夜に練習していたように記憶しています。早起きが苦手だったので朝は無理でした。夕方は母がレッスンしていてピアノ室が使えません。なので夜弾いていました。

時間帯が決まっていたのは良かったように思います。その時間になると「ピアノの時間だ」と意識する習慣が付くからです。そこから積極的に練習するかどうかは別として、「練習しなくちゃ」という意識を持つきっかけにはなります。

30分、1時間など練習する時間を決めることについては、私は懐疑的です。実際そのようにしていたことはありますが、「この曲を30分練習する」と決めてしまうと、時計ばかり見て「早く30分経たないかな」と思っていました。時間の無駄ですよね。

練習は「量より質」だと思います。「何分弾く」と決めるより、「どの部分をどう練習して何を改善するか」を決めて取り組んだ方が有意義ではないでしょうか。

それからたまに、小さい弟や妹がいてお昼寝していたりすると弾けない、という話を聞くことがあります。弾きたいと思った時に弾けないのは気の毒なので、ピアノにサイレント機能を付けるなど対策を考えてあげてください。

 

まとめ

今回は、子供の練習対策について考えてみました。

私の子供の頃のダメ話をお披露目することになってしまいましたが、皆様の参考にしていただければ本望です。

ピアノに限らず何でも、出来るようになったら楽しいはず。

「才能が無いから出来ない」と諦めず、うまくいかない原因を見つけて、それを解消するための方法を探してみてください。