こんにちは。ピアノ教師・渡邊智子です。
東京の小金井市と三鷹市でピアノ教室を開いています。
前回は、自分に合ったピアノ教室の選び方と題して、体験レッスンを予約する前に確認しておきたいポイントを書きました。
今回はその続きとして、体験レッスンをテーマに書いていきたいと思います。
ネット検索や口コミで情報を得ても、実際に教室に行って先生に会ってみないと分からない事はあります。入会前に体験レッスンを受けてみることで、本当に通いたい教室かどうか判断しやすくなると思います。
体験レッスンに行ってみよう
私が子供の頃は、体験レッスンという制度はあまり無かったと思います。友人知人に紹介してもらって、先生に初めて会う時にはレッスンを受けることが前提になっていました。
今では殆どの教室が体験レッスン制を設けているので、ピアノ教室を探す際には、いくつかの教室に行ってみて比較検討するということが当たり前のようになっています。
体験レッスンは、生徒さんが教室を選ぶために利用するものと認識されがちですが、先生側としても、自分には教えられないと思った方は事前にお断りできるので、ミスマッチを避けられるという点で、双方にメリットのある仕組みだと思います。
体験レッスンは、生徒さんと先生の相性を確かめられる重要な機会です。是非、上手に利用してください。
体験レッスンってどんなことをするの?
先生によって色々ですが、大まかには以下のような内容が多いと思います。
- 初心者には導入教材などを使ってレッスンをする。
- 弾ける曲があれば弾いてもらってアドバイスをする。
- 教室の決まり事などの説明。
- 生徒さんの希望を聞いて今後について検討する。
ピアノ経験者の方は「弾いてください」と言われることが多いと思います。その時に焦らないよう、多少の準備はしておいた方が良いでしょう。
初心者の方は、行ってみないと分からない場合が多いので、「何をするのか楽しみだなぁ」くらいの気持ちで構わないです。気負わず楽しみましょう。
体験レッスン前に不安を感じることがあれば、実際どういったことをするのか教室に問い合わせてみても良いと思います。
先生との相性
ピアノの弾き方は「これが正解!」というものが無いので、指導法も先生によって様々です。これから楽しくピアノを続けていくためにも、自分に合った指導をしてくれる先生を探したいところです。
自分のためになるレッスンが受けられるか、体験レッスンを通じて確かめてください。
教え方の良し悪しが分からない
先生によって指導法が違うと述べましたが、実際どんな風に教えてもらうのが良いか分からないという方もいると思います。
特に初心者の方は、「ピアノのこと何も知らないし…」と消極的に考えがちです。
専門知識が無いと難しそうに感じられるかもしれませんが、「この先生の説明は分かりやすい」とか「弾いて見せてくれるから参考になる」など、ご自身の基準で判断してもらって大丈夫です。自分にとって有意義な時間を過ごせるかを重視してください。
また、続けていくことを考えた時に、どのくらい練習しなくてはいけないのかという心配も出てくると思います。練習について不安のある方は、体験レッスンの時に先生に相談してみてください。課題の量を調節してもらえたり、できる範囲でゆっくり進められるように考えてもらえるはずです。
「周りに良い先生だと薦められたから通っているけど、自分には合わないかもしれない」などということにならないよう、自分のために必要な先生を見つけてください。
子供に合う先生は?
親が良い先生だと思っても、子供には合わない先生だったりすることもあります。
大人を教えるのは得意でも、幼児のレッスンは経験が少なく苦手という先生もいます。
子供と一括りに言っても、2歳児を教えるのと小学5年生を教えるのでは全く違うので、先生によっては年齢制限を設けている方もいらっしゃいます。
私自身、子供のレッスンをしていて難しいの感じるのは、分かりやすい言葉を選んで説明するということです。大人には通じる言葉でも、子供に対しては簡単な言葉に置き換えなくてはなりません。また、同じ年齢の子でも語彙力に差があるので、一人一人に合わせて言葉選びをする必要も出てきます。
やる気のある子でも、先生の話が難しくて理解できなかったら、何をどう練習したらいいのか分からず気持ちが萎えてしまうかもしれません。反対に、難しそうに思えた事が先生の説明で分かるようになったりすれば、意欲を持ってレッスンに通い続けることができるはずです。
1回の体験レッスンで判断するのは難しい部分もありますが、お子さんにとって分かりやすいレッスンを提供できる先生を探してあげてください。
教室の雰囲気
教室のサイトなどでは、レッスン室の写真や実際レッスンをしている様子などが見られたりしますが、やはり実際行ってみないと分からないこともあります。
レッスン室
個人の教室では、防音室完備の教室もあれば、ご自宅の居間などでレッスンをされている先生もいます。防音設備がしっかりしていると外音も聞こえにくいので、自分の弾く音に集中しやすいです。
大手の音楽教室では、小さめのレッスン室がいくつか並んでいることが多いです。人の出入りも多くて、どちらかというと賑やかな雰囲気になると思います。
いずれにせよ、理屈抜きに居心地が良いと感じられれば問題ないでしょう。
静かな環境で集中して弾きたい方もいれば、周りの部屋で練習している音が聴こえた方がやる気が出るという方もいますので、それぞれに合った環境を選んでください。
それともう一点、気にする方は少ないかもしれませんが、注意していただきたいことがあります。
防音のレッスン室は密閉性が高いので、敏感な方ですと気分が悪くなったりする可能性があります。私も工務店の方から「換気はちゃんとしてください」と注意されました。何事も身体が資本ですから、くれぐれも体調に障ることのないよう気を付けてくださいね。
周囲の環境
レッスン室だけでなく、教室のある場所の周辺も見ておくと良いでしょう。
特に子供が一人で通う場合は、人通りの少ない場所や車が多い危険そうな道などは避けたいところです。
体験レッスンに行くついでに、安全に行けるルートがあるか確かめておくことをお勧めします。
体験レッスン前に準備してほしいこと
簡単です。自分の気持ちを整理しておいてください。
初心者の方であれば、ピアノを習いたい理由やこの曲が弾けるようになりたいという希望など。
経験者の方は、新しい教室を探している理由など。
また、事前のリサーチで分からなかったことをリストアップしておいて、この機会に質問しても良いと思います。
前にも述べましたが、体験レッスンは、先生側と生徒さん側のミスマッチを避けるために利用できる機会です。後々、自分の希望とは違う方向に進められてしまわないよう、しっかり意思表示することが大切です。
当日は、初対面の先生のレッスンを受けるということで緊張するかもしれません。帰宅後、自分の思っていることが言えなかったという後悔をしないよう、事前に準備しておいてください。
レッスンの見学ができることも
以上、ピアノ教室の体験レッスンをテーマに書いてきましたが、教室によっては体験レッスンを受け付けていないこともあります。
そういった教室でも、他の生徒さんのレッスンを見学できる場合があります。
レッスンの見学をする際は、なるべく同年代で同程度のレベルの生徒さんのレッスンを見せていただけるよう、お願いしてみてください。初心者と弾ける方に対するレッスンの仕方は違うので、レベルが違いすぎると参考にならないと思います。
まとめ
以上、体験レッスンでピアノ教室を選ぶ際のポイントについて述べてきました。
体験レッスンの内容は行ってみないと分からない部分も多いですが、自分に合った教室を探す上で大いに利用していただきたい制度です。
学校や会社などでは、自分と合わない人たちとの付き合いも多少我慢する必要があったりしますが、ピアノ教室では合わない所に無理やり通う必要はありません。是非、体験レッスンという便利な制度を最大限に利用して、楽しくピアノと付き合っていくための教室を見つけてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回のテーマは、ピアノ教室選びの決め手です!